介護でお悩みの方へ

泉の里創立35周年に寄せて特別寄稿

ひとりで悩み抱え込む介護から、
「介護は専門職に、家族はいつまでも変わらぬ絆と愛を」へ

旧泉の里家族会 渡邊 潤

私が両親の5年間の介護に苦しみ、倒れる寸前まで家庭で面倒を見ていたところを、「泉の里」のケア・マネージャーの方が親身になりお世話をして下さって両親を入所させていただき、今年で4年になります。
父は入所後98歳で亡くなりましたが、92歳の認知症の母はまだ入所しています。
したがい まして、私が介護にかかわっている年数は延べ9年になります。
教職を3年早く退職し介護を始めた当初は、自分の親の介護は容易であると考えていました。
しかし当初の甘い見通しはたちまちのうちに打ち砕かれたばかりか、私自身の持病であります糖尿病と内臓疾患はみるみるうちに進行し、進むも地獄、退くも地獄といった状態で全く見通しも立たず、最後がどうなるのか、どのような手立てが取れるのか、全く五里霧中の状態になりました。
自分の親だから施設にはやりたくない。
また親自体も「施設には絶対行かん!(自分の認知症 の妻を)絶対やらん!」という昔気質の頑固一徹な父でしたから、説得できるわけはありません。
やがてひとりで抱え込む、介護を放棄できないつらさ苦しさ、そして年数を経るに従い昼夜を問わない下の世話が増え、さらに家中いたるところへの糞便の落下や散乱、放棄が増えてきました。やがて誰にも相談したくないほどのひどい状態になり、切羽詰まった心境に追い込まれてしまいました。
これほどまでにひどい状態になっても、父も私も教育者であっただけに、世間に知られないように親のプライドを守ってあげようとしたり、犯罪的行為をさせない介護に努めようとします。
だがそこまでいくと『早くあの世に送りたい』といった悪魔の声が囁きます。親孝行の私でさえも、鬱陶しくも忌まわしい親に見えてくるのです。
家庭での介護は親孝行の自己満足の域をはるかに超え、激しい怒りの衝動も伴います。
ところが、これらの苦悩が「泉の里」への入所により一挙に解消しました。
そこに至るまでの 精神・肉体の負担と経済的負担もはかり知れないものがありました。
両親の入所後、私自身の糖尿病の改善に一歩踏み出すことができまして、九死に一生を得ました。
今の日本社会では多くの方々がこのようなことで悩み、日々様々な介護関連の事故・事件が起きているところです。
いつ誰にこのような災禍が降りかかり地獄に突き落とされるかわからない、これからの高齢者の明日を見通すことは介護の経験のない素人では絶対できません。
「老々介護」の果ては「明日は我が身」であります。
このことの解決策は専門性の高い介護職員の皆様の支援があってこそ、はじめて成り立つものであります。
そのおおもとの社会福祉法人の成立・維持には、政府・行政・地域住民一丸となって支援が必要であることは明白です。
しかも、介護する者、介護される者の尊厳は、介護の質の高い介護施設においてのみ保障されるものであります。
「泉の里35周年記念」にあたる今年こそ、そういったことに目を向け、考える機会ではないかと思います。
幸い、小林かつとし理事長が長年培った経験と幅広い視野をお持ちです。
高齢化社会に積極、果敢に事業を展開すべく奮闘もなさっているところです。
少子化で、若い方々の社会改革へのうねりや流れを期待できるでしょうか。たとえそこに一定の期待が持てたとしても、手をこまねいていては高齢者は灰色の人生を送ることになりましょう。 ここで、自らの健康をまず考え、そして明日への備えと様々な対策を、共に模索してまいりましょう。
このようなことから、私は本日家族会の一員として、以下のことを皆様に訴えます。

  • 先覚者である小林かつとし理事長、施設長と永年勤続の職員の皆様の実織と、現状の貢献を真摯にご理解いただき、社会福祉法人「泉の里」への様々なご支援とご協力をお願いしたい。
  • 美しい室内環境、専門性の高い介護内容という至難の取り組みへ向けて研修がなされつつあり、施設職員一丸となって努力されつつあるといった「泉の里」の経営姿勢をご理解いただきたい。
  • 介護業界の人材不足と社会福祉法人改革というこれからの厳しい社会情勢に向かって、行政関係者及び一般住民の方々に様々な支援の取り組みをお願いしたい。
  • これからの介護現場で社会的使命を担っていかれる貴重かつ有為な人材を育成するといった観点から、介護スタッフに温かい声援(声かけ)をお願いしたい。
    人間誰しも完璧ではありません。職務上のミスや瑕疵は全く生じないものではありません。
    一方的な批判や根拠のない噂話に便乗した「泉の里」への批判や中傷は慎んでいただきたい。
    「泉の里」へ行って見て、通所・入所させてみて、正しい事実を自分の目で確かめていただきたい。
  • 施設を運営される方々、及び家族会の強い要望として、「国の在宅介護推進への方向転換」が、現実の家族問題に則さないものであり、そういった方向性がより複雑かつ困難な家庭の悲劇をもたらすものであることは、数々の事件報道により明白です。
    よって施設への財政支援の復活と職員の給与向上を促すことを喫緊の課題としていただきたい。

人の最後の看取りは、誰でも心配で臆病になるものです。
法的な問題もクリアしなくてはなりません。専門家の処置や手立てが必要です。
父の着取りを、何の問題もなく大変手篤くしていただいた上に、母へはあたたかい介護を長年にわたりしていただき感謝の念が尽きません。
今、命の炎がつきかけている母ですが、私は、これで幼少期よりつらいことが多かった母の人生を最後は幸せに導いていただいたと思います。
「これで良かったのだ」という悔いのない気持ちがします。
理事長、施設長をはじめ、「泉の里」の皆様には心から感謝申し上げます。

「案ずるより産むが易し」悩める方は、一刻も早く「泉の里」にご相談ください。

ご相談からサービス提供までの流れ

  • 1.まずはご相談ください。ケアマネージャーがお話を伺わせて頂きます。

  • 2.介護認定の申請。手続きの代行も承ります。

  • 3.介護度の決定

  • 4.介護を必要とされる御本人とご家族の御事情にあわせて介護サービスを御提案

  • 5.御本人と御家族により、受けるサービスを決定

要介護認定について

介護の必要度で7段階(要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5)で評価されます。
介護度によって受けられる介護サービスやそのの負担額が異なります。
申請にお金はかかりません。泉の里では手続きの代行も行っています。